楽しさ研究所FUN LAB
動画広告の効果は? ウェブとテレビを比較してみた
掲載日: 2018/10/01
「0円の動画広告」vs「100万円のテレビCM」
集客力が高いのはどっち?
こんにちは、特設コンテンツ『不良ページとよばれて』でおなじみのウェブ専門家です。
これから動画広告を打とうとしてる方も、そうでない方も
「ウェブの動画広告とテレビCM、どっちが宣伝効果高いの?」という素朴な疑問を抱いたことはありませんか?
不良ページ:そんなのアタイは日常茶飯事だよ!
けれどもテレビCMはお金がかかるので、なかなか比較してみる機会もありませんでした。
こんな疑問ありませんか?
- 動画広告の効果はどの程度なの?
- ウェブの動画広告ってテレビCMと比べてどのくらいの効果があるの?
- 費用対効果が知りたい!
・・・などなど。そんな折、この素朴な疑問を解消できる(かもしれない)実験をやる機会を得ましたので、 ここにその全てを洗いざらい公開したいと思います。
1、100万円の動画広告実験
今年の年始のことになりますが、
100万円をドブに捨てる(かもしれない)禁断の動画広告、比較実験を実施いたしました。
名付けて「0円の動画広告」vs「100万円のテレビCM」集客力が高いのはどっち?当時の予告ページ >>
やったこと
ウェブとテレビ、2大メディアで同じ自主制作動画を流し、
実際にたくさん集客できるのはどっちか?!を2ヶ月間で検証しました。
80年代に流行ったドラマ『不良少女とよばれて』をオマージュ。 この動画をフックにして、「不良ページとよばれて」特設ページに集客します。
ゲッ!こんなところにアタイが!あんた正気かい?
僕たちのメインターゲットは「ウェブを活用して事業を良くしよう!」って高い意欲を持った地元の若手経営者さんなんだ。
だからあえて、
アラフォーアラフィフ世代に馴染みある昭和テイストのコンセプトにしたんだよ。
使える予算は全部媒体料にまわしたいので、動画は自主制作することとなりました。
放送時期をお正月にしたのは、経営者さんもこの時期くらいは家族とくつろいで
お茶の間のテレビ見たりできるかなー、という淡い希望からです。
あらかたの予想
そんなのテレビCMに決まってんじゃん!ということで、Twitterで実施したアンケートでは実に86%の人が「テレビ派宣言」してました。
2、動画広告とテレビCM、集客効果が高かったのはどっち?
ついに2018年のお正月がやってきて、
元日から4日間、広島県民のお茶の間に不良のテレビCMが28回流れました。放映時間割 >>
ウェブでも同じ元日にYouTube、Facebook、Twitterで1回ずつ動画を
投稿(有料じゃない普通の投稿、無料で誰でも出来ます)しました。
あとは結果を寝て待つのみ。
最初の4日間はテレビCMが優勢
テレビCMからの集客数は、 おそらく今まで誰も使わなかったであろう単語「不良ページ(とよばれて)」 というキーワードで検索してきた人をカウントすることにしました。
そして感想です。テレビの初速すごい!! わずか4日で400人弱を集客してました! その間ウェブ動画はわずか80人程度。。。
でもまだ対決は始まったばかり。もうちょっと様子を見てみます。
1ヶ月後に逆転劇が・・・
が、その後テレビ効果は一気に失速。 逆に、後からじわじわ効いてきたのがウェブ動画の方です。 1ヶ月後には双方450人前後で、ウェブ動画がテレビCMの集客数に追いついていました。
その後はまるでウサギとカメ
さらにその1ヶ月後(トータル2ヶ月後)にはなんとウェブ動画はテレビCMの4倍の集客力になってました。 まるでウサギとカメのかけ比べ。
テレビCMの集客が全く止まってしまっため、 実験は一旦2ヶ月で一区切りとしましたが、この時点で
テレビCM:526人 < ウェブ動画:2105人
(ウェブ動画は1年後の今でもジワジワ集客中)ということで、圧倒的なウェブの勝利で終わりました!!!
結論:動画広告がテレビCMの数倍も集客
0円の動画広告が100万円のテレビCMの4倍も集客した3、動画広告がテレビCMの数倍も集客できる理由
あんたウェブの制作会社だし、ウェブが勝ってよかったじゃん
が、それだけではこの実験の意味がありません。 どうしてウェブ動画は後からこんなに伸びたのか!その理由を知りたい。 ということで集客力を深掘りしてみました。
ウェブ集客力の鍵を握るのは第三者
ウェブ動画からの集客2105人の内訳を見てみました。 すると、ウェブならではの特徴があることが分かりました。
私たちが自力で発信した自主投稿から来た人(黄色の部分)はわずか2%のみ!
他のウェブメディアさまが動画を紹介してくれた記事から来た人(緑の部分)と、
他人さまが発信してくれたツイートなどのSNS拡散から来た人(青の部分)が96%を占めてました。
よそさまのお陰がほとんどじゃん!
あんたの投稿だけじゃ、マジでヤバかったね。
自主投稿、SNS拡散、外部サイト…の順に集客がじわじわ増える
さらに、集客元それぞれの数字の推移を見ると面白いことがわかりました。
集客元によって集客数がぐっと増えてくる時期が微妙に違うのです。
自主投稿からの直接集客(青線)は最初の1週間くらいで終わる一方、 その翌週くらいからユーザー投稿(オレンジ線)が威力を発揮し、 さらに3周目くらいからは外部サイトからの集客(緑線)がぐんと増えています。 他人さまのSNSや他のウェブメディアからの集客が、 日を追うごとにどんどん増えていってることがわかります。
要するに、
あんたの投稿を見た人、の投稿を見た人、の投稿を見た人、の投稿を見た人…!が、どんどん増えてるってことでいいのかい?
おかげで、自分たちの発信力だけでは到底届かなかった数の人にまで届いていたようです。
ウェブ集客力まとめ
ここまでの経過をまとめてみます。
テレビCMは1人みてくれたら、その1人が来てくれるかどうかが勝負です。
一方で、
ウェブの動画広告は1人みてくれたらその先の知り合いにまで広めてもらえる。
さらにその知り合いがまた別の知り合いに広めてくれる(延々と)。
ま、広めたくなるかどうかは
その人の気分と動画の出来次第じゃね?
当たり前と言えば当たり前なのですが、 ウェブならではのこの1対 n の拡散効果を、まさに今回実証した形になりました。
結論:ウェブには1対 n の拡散効果があるから
4、動画広告よりテレビCMが向いている2つのケース
0円のウェブ動画でそんだけ集客できたんなら、あんたがテレビCMに使った100万円、あれはムダになっちまったのかい?
とはいえです、 私どものような規模の零細企業にとって CM媒体料の100万円というのは、とても大きい出費です。 キヨミズの舞台から飛び下りる覚悟で行った投資です。
ここからも学ぶことがないと悔しい!痛いじゃないか! ということでテレビCMの集客をもう少し深掘りしてみます。
とにかく初速に強いのがテレビ
すでに述べましたが、テレビCMは放映中のわずか4日で 一挙に400人弱を集客してました! その間ウェブ動画は、自主投稿からの直接集客がわずか80人程度。。。
即効性があるのがテレビCM、というのは間違いないようです。
より意欲高い層を集客できるのはテレビCM?!
でもそれだけでは納得感が足りないので、 今度はテレビCMからの集客400人のその後の行動を見てみました。 すると、見つかりました! テレビCMならではの特徴が!
滞在時間が長い!
テレビCMから来てくれた人が「不良ページ」に滞在してくれた平均時間は ウェブ動画と比べて2倍も長くなっていることを発見しました。
初動4日間の数字比較
テレビCM 4分14秒 > ウェブ動画 2分11秒
これはもしや、テレビのCM方が意欲の高い層を集客できる、という事では?? という仮説が浮かんで来ます。
いわゆる「コンバージョン率」が高いのはテレビCM?!
そこで今度は、ページを見た後でこちらの狙った通りの行動(ゴール) をしてくれた人の割合を比べてみることにしました。 ちなみに今回狙ったゴールは「不良カレンダー」のプレゼントに応募してもらう事です。
これ実験2ヶ月間の数字比較
(※上記は2ヶ月限定の数字です。10ヶ月後にはウェブはこの数倍に)
テレビCM 1.71% > ウェブ動画 1.19%
(テレビCMが1.43倍高い)やはり!わずかな差ではありますが、ゴールに到達した率が高い (いわゆる“コンバージョン”に効いた)のはテレビCMの方でした。
いや、母数少ないし。ちょっと強引じゃね?
だけどね。実際テレビCMからは仕事の引き合いが複数来たんだ。
放送から2ヶ月以内で、テレビCMきっかけの受注粗利がCM代の100万円を超えた時には正直ホッとしたよ。
テレビ集客力まとめ
ここまでの考察を強引にまとめると、 特定のケースに限っては、テレビCMが向いている(かもしれない)という学びを得ました。
特定のケースというのは、次の2つです。
1、短期間に一気に集客する必要がある
2、比較的意欲が高い(=即決する)層に訴求したい
5、まとめ
ここまでおつきあいいただきありがとうございます。
あわや大金をドブに捨てかねない禁断の実験でしたが、 結果をおさらいしますと、こんなことがわかりました。
●圧倒的に費用対効果が高いのはウェブの動画広告。
ウェブの動画広告は1人にアピールできれば、その知り合いの数人・数十人…と、どこまでも拡散してもらえる。 ついでに言うと自分で投稿するだけだとコスト0円なので、万一訴求に失敗しても何度でも再挑戦できる。
●テレビCMは、たまに効果的なケースもある。
「即効性」が重要な場合は間違いなくテレビCMです。
「即決する層」をピンポイントで狙いたい場合も、もしかしたら効果的なのかもしれない。
しかし媒体料が高額なため、本当に「即効性」が必要なのか慎重に見極める必要がある。尚、確実に反応が来るかどうかは動画の内容によるところもあり、未知数。
キャッ、ウェブってネバー・ギブアップ!
ウェブだあーい好き?
いかがでしたか?
今回は集客力対決でしたが、こうしてみると量はウェブ動画、質はテレビCMと言えるかもしれません。
もしもう一度挑戦できるとしたら、次は
1)まずウェブの動画広告で広く浅く「認知」を醸成して(撒き餌)、
2)その後にテレビCMで最後の「刈り取り」をする(1本釣り)
という組み合わせ技も良いかもしれないなと思いました。
という事で、もし私どものような中小企業さまが、 限られた予算の中で動画広告をやろうとされるのでしたら、 ぜひとも参考にしていただき、より良い成果を得ていただければと思います!